アーティスト活動/Artist activity 人生自由型/Berlin Life 日本文化/Traditional Japanese Culture

着付/Kitsuke-Kimono Dressing

着付 - 着物を着る。

私は、着物を着る、この過程そのものが美しいということにベルリンに来て気づきました。

今日はその着付について語ります!

着付はアート/Kitsuke - Kimono dressing is the art

ベルリンに来て1年目。

営業をしに訪れた日本の商品を売っているお店に、フライヤーを置かせてもらいました。

そのフライヤーを見た、当時、ファッションを勉強する大学生のブラジル人の女の子、マイラが

「着物について教えて欲しい。」

と、連絡してきました。

早速、彼女の家に招かれ、着物を持参して訪問。

着物を着付ながら、着物について、ともかく語り合いました。

そして、彼女が、

「着物を着る過程が、もうアートだね。」

と。

1つ1つの仕草がとても美しいと。

そんなこと、考えたことのなかった私は、その感想がとても新鮮でした。

そして、その彼女の気づきは、1つの映像作品へと発展し、できた動画がこちらです。

ZEN - Kimono short movie

着物からインスピレーションを得てデザインした、モダンな衣装を着たモデルと、もともとの着物そのままを表現した私との対比。

着付そのものが美しい、と言った彼女のイメージ通り、着付過程を映像に取り入れた作品となっています。

足袋の金具を留める瞬間、着物を羽織る瞬間、紐をキュッと結ぶ瞬間。

洋服を着るのとは、全く違う。

着物を美しく着ようとしたら、1つ1つの過程に、技術やコツ、神経を使います。

ちょっとでもよれたり、長さが合わないと、やっぱり気に入らない。

逆に、ものすごく綺麗に着れた時は、心もすごく晴れ晴れする。

よし、今日のパフォーマンスも良いものにしようと、ますます気合が入ります。

当たり前ですが、ゆとりを持って、1つ1つの動作を丁寧にした時は、綺麗に着れます。

その、丁寧に着る、という気持ちが、着付にはとても重要だと思います。

そして、それが、マイラが言う、着付自体が美しい、ということにつながっているのではないかと、私は思います。

あんなにたくさんの道具を使う衣服を、昔は日常着として着ていた日本人。

階級によって、違いはあれど、現代の洋服と比べたら、毎日あんな面倒なことをしていたのかと思うと、やっぱりその手間と労力には圧倒的な差があります。

そして着物が普段着でなくなった今、着物を着る時間が特別になった分、それを改めて、かみしめることができるというのも、ある意味では良いのかもしれない。

特に花嫁衣装として着る機会がある人は、そのすでに特別な日という中で、さらに特別な衣装を纏うというのは、なんとも言えない気持ちではないでしょうか。

1ピース、1ピース、身につける、その瞬間瞬間がとても特別になる。

外国人にとって、着物を着るというのは、それに近い感覚があるのかな、と思います。

Have you experienced to wear Kimono? Or even have you seen someone putting Kimono on? And how do you feel it?

One of my friends made me realize that wearing Kimono - Kitsuke is the art. This is not only the way of  wearing our traditional cloth. There are many processes and you need to be precise each of them. Otherwise you would not be satisfied at the end. I think it is same as the other art works. If you miss just one color on your painting, you don't feel comfortable or completed. When all pieces fall into place, you can be happy. And these each moments are already the beautiful art. Even this friend made a short movie of Kimono at the end.

ZEN - Kimono short movie

Nowadays even Japanese people don't wear Kimono for daily life anymore. You need to learn how to dress and train. The western cloth is much easier to wear and fascinated. So that for us also Kimono is special. Further more at the special occasion like a wedding each moment that Kitsukeshi (the person who put Kimono on) put each pieces on you is so intensive.


@ granzottophoto

踊りと着付を組み合わせ、モデルに着付をいくパフォーマンスは、いつも大好評です。

着付がアートになることを証明してくれた、私の重要なパフォーマンスです。

This is my Kitsuke performance.

It gave me the proof that Kitsuke is the art.

 

着付から見える、日本文化/Japanese culture

さて、ベルリンで着付のワークショップをしています。

着物についてではなく、着付のワークショップ。

モデルを2名立て、1人に浴衣を、もう1人に着物を着付ながら、浴衣と着物の違いを見せつつ、着物と着付にまつわることを話します。

着物についてのプレゼンだと、単純に着物の知識を話すだけになります。

例えば、振袖と小紋の違いは、とか。

着付のプレゼンだと、襟の空き具合についてどうか、そしてそれぞれどういう意味があるのか、とか、補正タオルを使って、わざわざ寸胴に着るのを見せながら、着物姿は凹凸のないことが美しいという、美の価値観を説明したり、着物自体にフォーカスするのではなく、着物を着る上で、どういう価値観があるのか、どういう美しさの基準なのか、といった、知識ではなく、日本人の文化、価値観を示すことになるのです。

それが、外国人にとっては、すごく新鮮で面白い。

男性でも、やっぱり日本にそもそも興味があるのもあり、とても真剣に聞いてくれます。

着付を語るとき、ただ、どう着るかということより、こうやって、その背景にある日本人や日本文化を語ることは避けられず、このワークショップで私自身もすごく多くのことを学びました。

来月から、着付のオンラインクラスもスタートします。

日本にはたくさんの着付教室がありますが、私のクラスの付加価値は、世界中の着物好きな人との交流ができてしまう点!(笑)

というのは、半分冗談で(でも半分本気。)着付を通して、より日本文化を知りたいという方にオススメです。

外国人の生徒さんがいるので、そういう方に今までしてきたワークショップ同様、ただの着付レクチャーではない、日本文化も学んでもらえる教室にしたいと思っています。

みなさんのお申し込み、お待ちしてま〜す。(日本在住、日本人の方は金額、お支払いについては別途お問い合わせくださいませ。)

着付オンラインクラス2021年5月

In the process of Kitsuke you would learn not only the way of wearing Kimono but traditional Japanese culture. For example, we use towels to fill the gaps of waist because the straight line is more beautiful when you dress Kimono. This is the sense of beauty of Kimono. And when you are younger, you shouldn't show your skin either. This is also completely different value from western culture. So that in my Kitsuke class you are going to dive deeply into Japanese culture.

I am going to start a Kimono dressing online class from next month. You are welcome to dive into deep deep traditional Japanese culture!

Kimono Dressing Class May 2021


@ Tommaso Revelant

 

  • この記事を書いた人

千穂子

ベルリンで日本舞踊家として活動する千穂子です。 日本文化の美しさ、日本人としての精神は、世界から絶賛される、本当に素晴らしいものだと、実感する毎日。この素晴らしさを日本人の人ともシェアしたい! また、ヨーロッパに残りたい!と言う心の叫びに従い、日本行きチケッを捨てて、ドイツに残って今にいたる。何にもないゼロからのスタートでも、自分に素直になると、不思議といろんなことがうまくいく。 そんな自分自身の体験から、人生みんなそれぞれ自由な型があるはずと、信じています!

-アーティスト活動/Artist activity, 人生自由型/Berlin Life, 日本文化/Traditional Japanese Culture
-, , ,

© 2020 Chihoko Yanagi Powered by AFFINGER5